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これからピアノを始める人には、「電子ピアノ」がおすすめです。
電子ピアノは、ヘッドホンから音を出せるので、深夜や早朝でも気にせずに自宅で練習ができます。
一般的なピアノと比較してもコンパクトで「部屋が狭くて…」なんてお悩みの方も安心です。
でも、電子ピアノは種類やデザインが豊富で、価格もさまざま。本当に迷いますよね。
なんて思う人もいるかもしれません。
でも、電子ピアノは、購入後に「あれ!?思ってたのと違う!!」と、後悔することがよくあり、注意が必要です。
そこで今回は、ピアノ経験があるライターが、電子ピアノの選び方、おすすめのモデル、安い電子ピアノの妥協ポイント、買ってはいけない電子ピアノなどを、わかりやすくご紹介します。

いますぐ、おすすめ電子ピアノをチェックしたい方はこちら!
【付属品込でも5万円程度!】ポータブル型の電子ピアノおすすめ5選
【10万円未満】キャビネットタイプ(据え置き型)の電子ピアノおすすめ5選
電子ピアノとは?
電子ピアノ(英語でElectronic piano)は、その名の通り電気によって音を出すピアノです。
楽器店によっては「デジタルピアノ」と呼んでいる場合もあります。
電子ピアノはコンパクトで軽め
一般的な「アコースティックピアノ(以下ピアノ)」は、鍵盤を押すと本体内部に設置されたハンマーが連動し、ピアノ線を叩いて音を出します。
ピアノのボディ内部で反響させ、音を大きくするしくみです。そのためボディが重く、部屋に据え置きで使います。
一方電子ピアノは、内部にセットされた音源を鳴らし、ボリュームコントロールで音量の大小を調整するので、コンパクトで軽い設計です。
電子ピアノは、ピアノのタッチと鍵盤数を再現している
ピアノの鍵盤を弾くと、独特の重みを感じますよね。多くの電子ピアノは、このタッチを再現しています。
また、ピアノの鍵盤数(白・黒トータル88鍵盤)と同数を搭載しているモデルが多いです。
電子ピアノが初心者におすすめの理由・メリット
電子ピアノがおすすめな理由・メリットは、以下5つです。
1.早朝や深夜も練習が可能
2.ボディがコンパクト
3.価格が手頃
4.調律が不要で、メンテナンス費用がかからない
5.搬入と搬出が楽
早朝や深夜の練習が可能なこと、コンパクトで部屋に設置しやすいこと、価格が手頃なことが最大のメリットです。
また、一般的なピアノは、専門の調律師に定期的に自宅に来てもらい、調律をしてもらう必要があります。電子ピアノはそういったメンテナンス費用も不要です!
さらに、一般的なピアノは、いざ手放すときや引越しのとき、搬出費用が嵩みます。
私も一度、実家のピアノを処分したことがありますが、普通の縦型アップライトピアノだったのに、クレーン車が出動していてびっくりしました。
電子ピアノは、移動や搬出を比較しても、とても身軽な楽器です。



電子ピアノの選び方
初心者が押さえておきたい、電子ピアノの選び方のポイントは、以下5つです。
1.必ず88鍵盤タイプを選ぶ
2.ポータブルタイプか、キャビネットタイプ(据え置き型)か
3.同時発音数は128以上
4.付属品(ペダル・スタンド・椅子など)
5.型落ちの新品を狙う
【必ず】88鍵盤タイプを選ぶ
電子ピアノは、88鍵盤タイプを選びましょう。鍵盤数が足りないと、弾けない曲がたくさんあります。
また、二人でピアノを弾く「連弾」がしたい人も、やはり88鍵盤がマストです。
私の友人は「安いし、スペースも取らない」という理由で、鍵盤数が少ないモデルを購入してしまい、届いたその日に後悔していました。憧れの曲が弾けないことに当日に気がついたそうです。結局一度しか使わなかったとか….。



ピアノ上級者が、サブのモデルとして鍵盤数が少ないシンセサイザーやステージピアノを購入することがあります。そのような鍵盤楽器の扱いに慣れている人など、何か特別な理由がないかぎり、ひとまず88鍵盤を選ぶのが安心ですよ。
ポータブルタイプか、キャビネットタイプ(据え置き型)か
ポータブルタイプは組み立て式で、色々な部屋に持ち運びやすいメリットがあります。自由度が高く、デザイン性も高くおしゃれです。
また、1万円程度の低価格なモデルがあるのも、ポータブルタイプの特徴です。



スタンドの取り外しができないキャビネットタイプは、部屋に据え置きで使う人におすすめです。鍵盤や脚などが一体となっています。
キャビネットタイプには一般的なピアノのような「ピアノカバー」がある場合も多く、鍵盤の埃よけにも便利ですよ。
また、足元の3つのペダルが別売りではなく、最初から搭載されている場合が多いのもメリットです。ただし、キャビネットタイプの価格は、最低でも7万円以上を見た方が良いでしょう。ポータブルタイプよりも高い傾向にあります。



同時発音数は64以上、128以上あるのが理想
同時発音数が多いモデルほど、よりピアノに近い表現が可能になり、自然な響きを再現できる傾向にあります。
5万円程度までの安いモデルは、同時発音数が64程度のものが多いです。初心者でシンプルな楽曲を弾くなら、特に問題ないでしょう。ハイエンドなモデルになると、128以上あるものもあり、表現力もぐっと広がります。
ただし、難易度が上級レベルの楽曲の中には、同時発音数が128では表現しきれないものもあると言われています。難易度の高い楽曲の再現度にこだわりがある方は、楽器店で試奏した方が良いでしょう。
付属品(ペダル・スタンド・ヘッドフォンなど)
ポータブル型の電子ピアノの場合、ペダルやスタンドが付属しているものを購入すると良いでしょう。本格的にピアノを頑張りたい場合、やはりデスクに置いて練習するよりもスタンドの方がベターです。
そんなかたには、audio-technicaの楽器用モニターヘッドホン(ATH-EP100)がおすすめ!2,000円未満でゲットできますよ。
また、ピアノは正しい姿勢で練習することが効率よく上達するコツでもあります。高さ調整ができる椅子もあると便利です。椅子はセット売りされていないことが多く、その場合は別途購入しましょう。
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【コスパ最強】電子ピアノ・楽器用ヘッドホンおすすめ10選!練習以外の使い方もご紹介
型落ちの新品を狙う
電子ピアノは続々と最新モデルが登場していますが、最新モデルよりも少し前の型落ちでも、機能面では満足できるものが多いです。価格を抑えたいなら、型落ちを狙いましょう。
また、新品だと楽器店の保証の対象になる場合も多いので、新品を購入することをおすすめします。
買ってはいけない電子ピアノはある?



セッティングに手間がかかるもの
これは個人的な意見ですが、ロール式や折りたたみの電子ピアノは避けた方が良いです。セッティングに一手間かかるものは、練習のモチベーションを下げる可能性があります。
「安いから」「収納に便利そう」といった理由で選びたくなる気持ちはわかりますが、あまりおすすめしません。
鍵盤数が少ないもの
鍵盤数は一般的なピアノと同数の「鍵盤数88」タイプを選びましょう。88鍵盤よりも少ないモデルを購入すると、弾ける楽曲の幅が狭まります。
2台目の電子ピアノとして、上級者がシンセサイザーやMIDIキーボード機能を兼ねて使うなど、特別な事情がない限りは鍵盤数が少ないものは避けた方が良いです。
自分にとって余計な機能がついているもの
最近は、多数の楽曲の自動演奏機能がついているもの、MIDI対応、Bluetooth対応、音色数、譜面をパネル表示できる機能など、ハイエンドな機能が搭載されている電子ピアノが登場しています。ただし、多機能なモデルだと、初心者の場合、結局持て余してしまう場合も多いです。



安い電子ピアノ、高い電子ピアノの大きな違い
電子ピアノの価格差は、以下5点に現れます。
1.鍵盤のタッチ
2.音質
3.音量調節の繊細さ
4.スピーカーの質
5.搭載している機能
電子ピアノに限らず、楽器は価格と質が比例することがほとんどです。安いものに関しては品質をある程度わりきる必要があります。
安い電子ピアノの覚悟すべきポイント
2万円未満の格安モデルだけでなく、付属品とセットでも10万円未満の低価格モデルを選ぶときに最も覚悟すべき点は、タッチや音質がピアノそっくりではないことです。
価格を抑えた電子ピアノの鍵盤は、プラスチック製であることが多く、鍵盤のタッチも軽かったり逆に重すぎたりすることがあります。
鍵盤を弾いたときに、なんだか「ビヨン」と跳ね返って来るように感じたり、指が当たったことで「カチカチッ」というプラスチック音がしたりするものがあります。
一般的なピアノを弾いた経験がある人ほど違和感を感じる傾向にあり、「安っぽい」「買って失敗したかな」などの感想を持ちやすいです。



余談ですが、先日、プロのミュージシャンが演奏にも使う高級ステージピアノ「Nord Piano 5」を店頭で試奏させていただきました。ピアノのタッチがナチュラルな上に、違和感なく弾くことができることに心底驚きました。このモデルは多機能でもあるので40万円以上しますが、価格に納得です。
【付属品込でも5万円程度!】ポータブル型の電子ピアノおすすめ5選
1. KORG(コルグ)Liano L1SP
7cmの薄さがスタイリッシュ!6kgの軽量ボディがコンパクトで弾きやすい、コルグの電子ピアノです。スタンドがついて4万円を切る価格と、コスパも良いですよ。
ライトタッチ鍵盤なので、「軽いタッチが好き」「重い鍵盤が苦手」な方におすすめです。私は楽器店で試奏したことがありますが、鍵盤のタッチもとても軽かったです。お子様にも使いやすく、長時間練習しても疲れにいモデルだと思います。ただし、ピアノ経験者の方は「キーボードっぽい感触だな」と感じるかもしれません。
電源、ボリューム、エフェクト(リバーブ)、メトロノーム、音色調整の表示がちょうど目線下に集まっており、ユーザビリティもバッチリです。8段階の音色はつまみで調整するタイプなので、選択もスムーズ!



製品スペック
色 | ブラック |
サイズ/重量 | 1,282(W)x 290(D)x 73(H)mm/6kg |
鍵盤(数・種類) | 88鍵(A0~C8)LS鍵盤 |
最大同時発音数 | 120 ※音色によって最大同時発音数は異なります |
音色数 | 8 |
スピーカー | パネル面にスピーカー搭載(バスレフ構造で実現した豊かな低音) |
接続端子 | PHONES/LINE OUT兼用端子、USB端子(Type-B)、DAMPER端子 |
給電方式 | 電源:ACアダプター(DC 12V)または、単3形アルカリ乾電池6本orニッケル水素乾電池6本(別売) |
付属品 | 付属品:ACアダプター(KA390)、譜面立て、ペダル・スイッチ(PS-3)、X型ピアノスタンド |
2. 【Amazon限定】カシオ(CASIO) CDP-S100AZ(※単品)
カシオの電子ピアノCDP-S100AZは単品で4万円未満とコスパが良いモデルです。別売りの椅子、スタンドを購入しても、5万円程度におさまります。同時発音数が64なので、シンプルな楽曲だけを弾く初心者には十分ですが、ハイレベルな楽曲を演奏したい方は、やや物足りなくなる可能性もあります。
「とにかくコストを抑えたい!」という方におすすめです!
製品スペック
色 | ブラック |
サイズ/重量 | 幅132.2×奥行23.2×高さ9.9cm/10.5kg |
鍵盤(数・種類) | 88鍵盤・ハンマーアクション鍵盤 |
最大同時発音数 | 64 |
音色数 | 10 |
スピーカー | 12cm×6cm(楕円形)× 2 |
アンプ出力 | 2.5W×2.5W |
給電方式 | ・付属のACアダプター ・電池(単3形アルカリ乾電池6本) ※電池持続時間:約13時間(アルカリ電池使用時) |
仕様 | 主な機能/仕様 ・エフェクト:リバーブ(4種、オフ)、コーラス(4種、オフ) ・レイヤー/スプリット:●(レイヤーのみ) ・トランスポーズ:ー12~0~+12半音 ・チューニングコントロール:A4=415.5Hz~440.0Hz~465.9Hz ・音律(スケールチューニング):平均律+16種類 ・メトロノーム:拍子: 0~9 テンポ可変:♩=20~255 |
3. YAMAHA (ヤマハ)P-45
4. Roland(ローランド)GO-88P
5. YAMAHA (ヤマハ)P-125
【番外編・おしゃれ】インテリアにこだわる方におすすめ!
Donner 電子ピアノ DDP-88
こちらは、SNSで素敵なピアニストが弾いているのを見たのがきっかけで、個人的に今とても注目しているモデルです。こちらは「ポータブルタイプ」と「キャビネットタイプ」の中間に位置する電子ピアノなので、番外編にピックアップ!インテリアにもよく馴染む、おしゃれな一台です。



【10万円未満】キャビネットタイプ(据え置き型)の電子ピアノおすすめ5選
1. CASIO(カシオ) Privia PX-770 (BN)
2. Roland(ローランド) RP30
3. KORG(コルグ) LP380 USB
4.YAMAHA(ヤマハ) YDP-144WH
5. KAWAI CN29 A
電子ピアノとキーボード、どちらを選ぶべき?
注意!「電子ピアノ」と「キーボード」は似ているが違う!
キーボードは鍵盤のタッチや機能が電子ピアノと異なり、「エレクトーン」などに近いです。鍵盤が短かったり、タッチも軽めのものが多いです。
一方電子ピアノはピアノのタッチなどを再現する目的で作られているので、弾いた感じも異なります。
それぞれのおすすめの人をチェックしましょう。
電子ピアノがおすすめの人
・「ピアノを習いたい」と思っている人
・ピアノの音をメインに使いたい
ピアノの楽曲が弾きたい、ピアノを習いたい、と言う人は、迷わずに最初から電子ピアノを選びましょう。
キーボード(シンセサイザー)がおすすめの人
・ピアノだけでなく、色々な音を出したい
・バンドでスタジオに持ち込んで使いたい
・リズムマシンやDTMで使いたい
ピアノだけでなく、様々な用途で鍵盤楽器を使いたい人は、キーボードやシンセサイザーを選びましょう。色々な楽しみ方ができます。
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まとめ:電子ピアノを手に入れて、音楽を楽しもう
電子ピアノは、とてもコスパの良い楽器です。ぜひ今年はトライしてみましょう!