(画像:NFLジャパンより)
NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のチャンピオンチームを決める優勝決定戦 ”スーパーボウル”。毎年2月第1週目の日曜日に開催される。友人同士や家族で集まって観戦する人も多いそうで、U.Sでは国民的なイベントだ。スーパーボウルの前半と後半の合間に行われるライブ・パフォーマンス ”ハーフタイム・ショー”の熱烈なファンも世界中に多くいる(私もそのひとり!)。
また、ゲームはもちろんのこと、前半と後半の間に行われるハーフタイムショーも見どころのひとつ。例えば、マドンナが出演した第46回大会はアメリカ国内だけで約1億1,250万人が視聴した。
(NFLジャパンHPより)
2020年2月2日(日本時間3日午前8時ごろ)に開催されたスーパーボウル。たまたま仕事が休みで、家でキックオフのタイミングからDAZNでフル視聴できた!リアルタイム観戦は今回が初めて。ハーフタイムにアメフトのフィールド上でライブが行われるとあって、「結構ライブまで待つのかな」と思っていたど、準備から撤収までがとんでもなくスピーディなことに普通に驚いた(笑)アメリカって凄い。
さて、毎年トップアーティストの素晴らしいライブパフォーマンスを楽しめるハーフタイムショー。毎年欠かさずにチェックしてきたのだが、2000年以降のオススメをピックアップしてみた!
Contents
1. レディ・ガガ(2017年)
2000年以降で最もお勧めしたいハーフタイムショーは、2017年のレディ・ガガ。その理由は、彼女が単独で圧巻のステージを成し遂げたことにある。ハーフタイムショーはステージ上で複数のアーティストがコラボすることが多い。ライブ中盤にサプライズで人気アーティストがゲスト出演するのだ。ガガはサプライズゲスト無しで、しかもピアノ弾き語りから激しいダンス、ワイヤーアクションまで幅広いパフォーマンスで観客を魅了した。
印象的だったのはラストの”Bad Romance”。原曲には途中、 ”Walk, walk fashion baby, Work it Move that bitch crazy”というコーラスが入っているのだが、ハーフタイムショーでは ”Walk, walk fashion baby, Work it Move that Baby Baby” に修正されていた。高視聴率な中、実は放送事故も多かったりするこのイベント。全世界に放映されるとあって検閲も厳しいんだなと感じた。
彼女はこの前年の2016年、”ナショナル・アンセム”を任されている。アメリカ国旗を思わせる真っ赤な衣装はGUCCIのデザイナーAlessandro Micheleが担当。こちらのパフォーマンスもお勧め。
2. ジェニファー・ロペス/シャキーラ(2020年)
2020年のハーフタイムショーは、ジェニファー・ロペス&シャキーラによるパフォーマンス!プエルトリコ系アメリカ人の両親のもとN.Yで生まれ育ったジェニファー・ロペス、コロンビア出身のシャキーラ。ふたりのラテン・カルチャーが融合された素晴らしいステージだった。Hypebeastの記事(Watch Shakira & J. Lo’s Super Bowl LIV Halftime Show)には、シャキーラとJ.Loはハーフタイムショー初のラテン系女性メインアクトとして歴史を築いたと書かれている。
ライブ中にJ.Loが「Latino(ラティーノ)!」と呼びかけるところも印象的。ラティーノはラテンアメリカ・スペイン語圏出身者のことをさすと言われている。彼女は続けて「Ladies!」とも呼びかけた。デビュー以来ずっと女性をリードし続ける存在であるJ.Lo。私は今回リアルタイムで視聴できたこともあり、終始涙しながらライブを観たのだった(高校時代からJ.Loファン)。J.Loは現在50歳で二児の母。彼女の激しいパフォーマンスは、もはやアスリートの域。多くの女性に、歳を重ねることはネガティブでは無いこと、自分の限界を自身で作ってはいけことを示してくれたと思う。
パフオーマンス途中で登場する男性ゲストシンガーは、シルバーの衣装を着てシャキーラとライブを披露したのがバッド・バニー、後半J.LoとコラボしたのがJ・バルヴィン。ふたりとも人気急上昇中のアーティストだ。
J.Loの出世作”Waiting for tonight”では、当時のMVを彷彿とさせるグリーンのライティングなどの演出が!懐かしい。
”Let’s get loud”のアレンジをソロで歌った女の子はJ.Loの娘、Emmeちゃん!共演がとても可愛かった。この時J.Loがショールのように羽織っているアメリカ国旗は、内側がプエルトリコ国旗の柄になっている。プエルトリコ系アメリカ人である自身のルーツを示す演出だった。
ところで2020年のスーパーボウルは、ナショナルアンセム(国歌斉唱)も印象的だった。担当したのは、デミ・ロヴァート。2018年にオーバードースによる緊急入院からリハビリに励んでいた彼女。先日のグラミー賞授賞式で復活しパフォーマンスを披露した。今回のナショナルアンセムの歌唱力も変わらず素晴らしかった。
3. ビヨンセ(2013年)
こちらのライブ中盤では、ケリー・ローランドとミシェル・ウィリアムズが登場。Destiny’s Childリユニオンに世界中のデスチャファンが熱狂した。ビヨンセのダンスと歌唱力にはいつも驚かされるが、舞台演出も素晴らしい。
ビヨンセのバックバンドは全員女性、このパフォーマンスではダンサーも女性だった。ガールズパワーを感じる演出が好きで、いまでも年に何回か観てしまう。ちなみにバックバンドのキーボーディストは日本人女性の辻利恵さん。2006年にオーディションを勝ち抜いてから10年以上バックバンドを務めた。
4. U2(2002年)
2001年のアメリカ同時多発テロ後、初めて開催されたスーパーボウルのハーフタイムショーはU2。彼らの代表曲”Where the streets have no name” 演奏中、背景にテロ犠牲者の全名前がスクロールしていく(動画12分頃)。追悼と未来へ向けたメッセージを感じる素晴らしいライブだった。このライブを観て、何気無い日常に心から感謝したのだが、おそらく同様に感じたかたは多かったのではないだろうか。ライブ最後、ボノの ”It’s all we can do!” はとてもパワフルに響いた。
5. マドンナ (2012年)
”VOGUE” からスタートするマドンナのライブ。「クレオパトラか!」という登場はさすがクイーン。当時マドンナは54歳。50代半ばでこの素晴らしいパフォーマンスができるのは、彼女の日々の厳しいトレーニング故だろう。
ハーフタイムショー中盤、ゲスト出演した女性シンガーM.I.Aがいきなりカメラに向かって中指を立てるアクシデントが発生、カメラを切り替えようとしたのか一瞬画像が乱れる。当然彼女の行動は物議を醸したが、こんなトラブルも生放送ならではで面白かったりする(笑)
私は高校時代からのマドンナファンで、来日公演に2度足を運んでいるが、毎度ライブの完成度の高さに驚く。マドンナの決して妥協しない姿を見ると、自分を見つめ直すきっかけになったり。
6. ブルーノ・マーズ (2014年)
ブルーノ・マーズってドラムまで叩けるのか!と彼の才能を改めて感じたパフォーマンス。オーディエンスを楽しませる力とそのオーラに、観ていてとても楽しくなるライブだ。中盤でRed Hot Chilli Peppersがゲスト出演するのも嬉しい。
<番外編>
2000年以降の個人的おすすめを6つ紹介したが、番外編として2000年以前のものをひとつ。2000年以前で最も熱いパフォーマンスは、やはりマイケル・ジャクソンだと思う。一度彼のライブに行ってみたかった。