(Photo by Joris Voorn’s facebook)
オランダを代表するDJ/コンポーザー、Joris Voorn(ヨリス・ヴォーン)。
情緒溢れるシンセサイザーのメロディアスなトラックを得意とするアーティストだ。オーケストラ構成のような独特の奥行き。リスナーには鍵盤のサウンドが特に頭に残ると思う。Techno, Tech House, Deep House, Deep tech、そしてアンビエントにも近い。彼のジャンルは一つに定義しずらいが、それは彼が進化し続けている結果と言える。
”Incident”の世界的ヒット
2004年にリリースした「Lost Memories Part 2」の「Incident」の爆発的なヒットがきっかけで、
ヨリスの名は世界に広がった。
この頃の彼の楽曲は早めのBPMのダンスミュージックが中心。特に”Incident”は明瞭なピアノのメロディも聴きやすくリピートしたくなる。ピアノサウンドがメインになるのは動画3分過ぎくらいから。(ところでこの曲はいまでもフロアは湧くはずなので、DJのかたぜひ!)
ループからの脱却
その後は2013年”Ringo”, 2016年 ”Looks Fake Obviously”とヒット曲を次々リリース。当時の楽曲は現在のようなDeep Houseに近い。ヨリスは2014年のBillboardのインタビューでこのように答えている。
I started recording chord structures and melodies that were very different than what you’d hear in most house and techno tracks — more song based, less repetitive and, in general, quite emotional.
ハウストやテクノのトラックで聞くものとは異なるコード進行メロディーのある楽曲、歌をベースとしたり、繰り返しがより少なく、非常に感情的なものを録音し始めました。
2008年ごろから、ティーンで好きだったインディーズ・ミュージックを思い出すかのように、ギターやベースを手にして試行錯誤を重ねた。今まで彼が生みだしてきたテクノ・トラックとは全く異なるもののため、かなり苦労したようだ。この変化が現在のメロディアスなテクノ、ディープテック、ハウス系のトラックに繋がっているのだと思う。シーンの第一線で長く活躍するアーティストは、時代の潮流よりも早い速度で進化し続けるものだ。
ヨリスのinstagramより、ピアノの練習のポスト。曲はショパンのプレリュード28-4。(ちなみにRadio Heead ”Exit Music”はこの曲をベースにしたものだったりする。)
Cercleでの美術館ライブ・セット
Cercle企画のパリの美術館、グラン・パレでのパフォーマンスは特に素晴らしい!荘厳な空間を意識したライブセットで、ダブのリズムにジャジーなピアノを融合させた1曲めからDeep Houseに移していくあたりが高度だと感じる。動画41分過ぎからはU2のWith or Without youをさりげなく入れているのも面白い。オーディエンスを楽しませるのが本当に上手い。
2019年もTommorowlandやAwakening始め世界中の大型フェスを盛り上げている。
Awakening Festival 2019
次の来日はいつになるのだろうか。
(関係ないけど、このチャカカーンTシャツ、めっちゃ欲しい笑)