(photo by Sama’ Facebook page )
とんでもないDJを発見してしまった。
その名はSama’ (サマ)。
レコメンドDJは多くいるけれど、いま最も推したいアーティストだ。
彼女のBoiler Roomのライブセットは特に素晴らしく、毎日リピートしている。
テクノラバーな私でも、1時間程度のセットを毎日リピートして聴くことは珍しい。
それほどに彼女のトラックは刺さった。
そのLiveセットがこちら!
エンディングまで、中だるみがまるでない。エキゾチックでアグレッシブ、ストーリー性のあるサウンド。
YouTubeのコメント蘭も熱く、最高のライブセットと称賛するものも見かける。
”The first we instantly notice: no phones, fantastic! ”とのコメントもある通り、スマホの撮影者がほぼおらず、フロア全体がライブに集中しているのも凄い。
「ライブって本来こういうものだよなぁ」となんだか反省した。
撮影&SNSシェアOKのイベントだと、私もたくさん撮ってしまうし、Instagramストーリーにアップして楽しんでしまう。。
パレスチナのアンダーグラウンドシーンを象徴するアーティスト
Sama’はパレスチナのラマッラー出身の女性DJ。
彼女は「パレスチナにテクノをもたらした」とか「パレスチナ初の女性DJ」と称されることが多い。(彼女はNumeroのインタビューで、「その称号を理由にフェスにブッキングされることは好ましくない。自身の音楽性を理由にブッキングして欲しい」と語っている。)
アラビックミュージックにハードテクノをミックスさせたようなドライで不思議なサウンド。
ループや音響も絶妙で、27歳(彼女は1990年生まれと公表している)とは思えない渋いセットを展開する。
彼女には一体どんなバックグラウンドがあるのか辿ってみた。
パレスチナ・ラマッラーはどんな場所?
冒頭のBoiler Roomのライブもパレスチナだが、日本人には”ラマッラー”がどんなところか、なかなかイメージ出来ないと思う。私もその一人で、sama’がきっかけで調べてみた。
ラマッラーを知るにはこちらのWIREDの特集がオススメ。
動画13分45秒からラマッラーを観ることが出来る。
余談だが、ラマッラー北に位置するタイべ村で作られている「タイべビール」が世界的に有名なので、ビール好きには馴染みがある地方かも?私は数年前に東京で一度だけタイベビールを飲んだことがあるが、めちゃくちゃ美味しくてまた飲みたいと思っている。(が、その後なかなか出会えておらず残念、、。)
ヨルダン、パレスチナ、ロンドン、エジプト、そしてパリへ
Sama’ の話に戻る。
彼女はパレスチナのDJおよびエレクトロニックミュージックプロデューサー。
以前”Skaywalker”名義で活動していたが、2017年にSama’(アラブ語で”SKY”を意味する)に改名している。
彼女はヨルダン生まれでパレスチナはラマッラーで育った。
18歳の頃、旅先のベイルートで日本人DJ、Satoshi Tomiieのプレイを観て衝撃を受け、この出会いが彼女の人生をガラリと変えることとなる。
彼女は父親のアドバイスを受け、ロンドンのSAE Instituteで本格的にサウンドエンジニアリングを学んでいる。SAE Instituteで学士号取得後はエジプトに渡り、アラビックミュージックに触れることに。そんな彼女は現在パリを拠点に活動している。
中東から欧州まで多様な音楽体験が、現在の彼女の音楽に深く影響しているのだろう。
また、サウンドエンジニアリングの習得が、彼女のテクニカルなテクノサウンドに生きていると感じる。
sama’のインスタアカウント
sama’のライブ動画はまだまだ数が少なく、彼女のトラックをチェックするにはSound Cloudがオススメ。
今後の活躍に要注目。早く来日して欲しい。