(Photo: Francesco Tristano Twitterより)
ここ数年、クラシックとテクノ、エレクトロをフュージョンさせるアレンジが増えている。そのなかで最も注目したいアーティストは、ルクセンブルク出身のピアニスト フランチェスコ・トリスターノだ。
彼はソロのピアノリサイタルやオーケストラをバックにクラシック楽曲を披露する傍ら、クラブでシンセサイザーを駆使したライブパフォーマンスも行う。クラブミュージック界でも人気の高い、異色のアーティストだ。
”音楽は音楽”、ジャンルにはとらわれない
1981年、ルクセンブルクで生まれたフランチェスコは、ピアニストとして初めての舞台を13歳で経験。欧州各地で本格的にピアノを学び、活動の拠点をニューヨークに移す。名門ジュリアード音楽院に進みクラシック音楽の鍛錬を続けるなか、N.Yのクラブでテクノに出会い衝撃を受ける。欧州では幼少期から一流のクラシックアーティストに師事し、N.Yでは最先端のテクノに触れる。彼はクラシック、テクノの両方を最も洗練された環境で学んだ稀有な人材だ。
彼の演奏スタイルは進化し続けており、ライブやコンサート、リサイタルごとに全く異なる顔をみせてくれる。初めてフランチェスコの演奏を観るかたに特におすすめなのが、オーケストラと共演したこちらのパフォーマンス。バッハ「トッカータとフーガニ短調」で幕をあけ、徐々にテクノに以降していくバランスが素晴らしい。12分55秒すぎからのクラシックにテクノを融合させる展開は、クラシック愛好家だけでなくテクノファンも唸らせることだろう。
この動画10分ごろから彼がピアノで演奏している原曲はこれだ。
Rameau – Castor et Pollux / Ouverture
このバロック楽曲をテクノアレンジに繋ぐことができるのは、世界で彼しかいないと思う。クラシックとテクノ両方を熟知、独自の解釈を深めているから成せる技だ。一般的にクラシック出身者は、クラシック楽曲を電子音楽にアレンジする場合、BPMをあげてアッパーなトランス系などに仕上げることが多い。アレンジされたヴィヴァルディの”四季”をお聴きになったことがある方も多いだろう。フランチェスコはそういったクラシック寄りのアレンジをするのではなく、テクノと上手く融合させ、全く新しいジャンルを完成させるのだ。言葉足らずで恐縮なのだが、本当にこのセンスが凄い(笑)
カール・クレイグ、モーリッツ・フォン・オズワルドとのコラボレーション
もともと彼を知ったのはこのライブ映像を観たことがきっかけだった。7年も前と思えないほど、斬新なライブだ。
彼の素晴らしい演奏は、ジャンルを超えた知的好奇心を刺激する。観るかたそれぞれに新しい気持ちが生まれるのではないかと思う。
そんな彼が、2019年2月15日渋谷VENTに来日!要チェックだ。
Francesco Tristano – Live –