”リベラルアーツ” という言葉を耳にする機会が増えた。
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)のヒットからみても、アートへの関心の高まりを感じる。目に見える正解や成功求める世の中であったが、創造性やイマジネーションを養うことが重要視されてきたのだろう。
「でも、アートって何から手をつけたら良いの?」と、戸惑うかたが大半のはず。それなら「自分の好きなもの × 歴史」で学ぶのが良いんじゃないかと思う。ワイン好きはワインの歴史、絵画好きなら絵の歴史など。
歴史だけ学ぶと受験勉強みたいだけど、好きなものに関してなら楽しいし、きっと自分の話題に消化できると思う。一番重要なのは、「コミュニケーションツールや自分の人格形成となりうるか」ではないだろうか。
音楽好きはクラシック音楽を!
欧州出身者とビジネスや食事を共にしたり、国内外の知識層や富裕層と接する機会があるかたは、クラシック音楽を強くお勧めする。
私にはこんな惜しい体験がある。
海外旅行でたまたま現地の医師と話す機会があり、自然とクラシック音楽の話をされた。しかし、私の知識がとんでもなく浅く「ベートーヴェンが好きです!」としか言えず、話もそこで終わってしまった。(当時は語学力にもかなり問題があった為、悲惨な結果に。)
また、東南アジアの富裕層の友人夫婦はオペラが大好きで、自身の結婚式にソプラノ歌手を呼んでいた。セレブリティたちは歌に合わせて大合唱していたが、曲名をど忘れした私は歌詞もググれず、笑顔で見守ることに(超有名曲なのに!)。
当時、もし自分色の知識を持っていたら、相手と素晴らしい時間をシェアできたかもしれない。特に語学力が追いついていない時期だったので、カタコトでも良いから何か自分の思いを伝えられるネタがあればよかったと思った。。。
「ざっくり&楽しく」音楽の歴史が学べる「クラシック音楽全史」!
後悔先に立たず、でも人は後悔から学ぶもの!
こんなナイスな本を見つけたのでご紹介したい。音楽は好きだけど、クラシックの知識があまりないというかたにお勧めに一冊だ。
紀元前から現在までのクラシックの歴史を楽しく学べる本だ。
(※クラシック音楽とその歴史に既に精通しているかたは対象外だと思う)
著者が、「リベラルアーツ」とは「人間が生きて成長していくための実践的な知恵」と本の中で言っているが、クラシック音楽はまさにそれだ。
クラシック音楽はイノベーションや世界の歴史と共に進化してきており、派生する知識がめちゃくちゃ豊富なのだ。
例えば印刷。楽譜は当初美術品の位置付けで大変高価であったが、印刷技術の発達とともに身近なものになったのだという。
また、本書の作曲家の人物描写がとてもおもしろい!
同じ時代を生きたヘンデル、バッハ、テレマン。
私は3人それぞれを、ヘンデルは”敏腕プロデューサー”、バッハは”勤勉な学者”、テレマンは”好奇心旺盛な職人” タイプだと感じた。実際テレマンはヘンデルとバッハと親交があったが、ヘンデルとバッハは一切会ったことがなかったらしい。(なんか、わかる気がする笑)
ベートーヴェンのイノベーション
本書で最も心に残ったのは、ベートーヴェンがもたらした3つのイノベーション。ひとつだけここに挙げると、「自分の気持ちを表現する音楽を作った」こと。貴族や宗教など、誰かのために作られる楽曲が多かった当時、感情を表すことはかなり革新的。確かにベートーヴェンは聴衆を揺さぶる曲が多く、やはり伝説の作曲家と感じる。
クラシック音楽を通してヨーロッパの歴史を旅するこちらの本。
各作曲家のエピソードを背景に音楽を聴くことで、きっとあなたの好きなアーティストが見つかると思う。一日あれば読めるので、通勤電車やカフェのお共にぜひ!
クラシックに興味が増す名曲
最後に、クラシック初心者がさらに興味が湧きそうな曲を少しだけご紹介。
また別途、クラシックまとめは作ろうと思う。
ベートーヴェン 交響曲第7番
のだめカンタービレなどで第一楽章は有名だが、動画14分40秒ごろ始まる第二楽章も聞いて欲しい。第二楽章がお気に召したら映画「英国王のスピーチ」もぜひ!
なぜかは観たらわかります。
ヘンデル”ジョージ2世の戴冠式アンセム”
UEFAチャンピオンズリーグのテーマ曲であり、サッカー好きにはおなじみ!
”ヘンデル=やり手プロデューサー”であったことを思えば、このテーマ曲に選ばれたことに天国で激しく「いいね!!」していることだろう。
バッハ『無伴奏チェロ組曲 第一番 プレリュード』×『アヴェ・マリア』
バッハの名曲の素敵なアレンジ!